祈りは届くのか?
mikuni
以前、「聖職の碑」(新田次郎著)を読み、印象に残ったシーンがある。内容のネタバレになる為、これから読む予定の方は読み終えてから続きを読んでほしい。
この本は実際にあった出来事を、相当な取材を重ねたうえで物語にしたものである。
時は大正初期、今でいう中学生くらいの学生たちが、先生たちの引率のもと登山をするのだが、大規模な遭難となり、多くの犠牲者が出た実話をもとにした本だ。
学生たちが遭難したという知らせが入り、ある母親は雨が吹きすさぶ中、神社に出かける。途中分家の家の人も誘うが、「後から行くから」等と言われ、雨の中たった一人でお百度参りを行うのだが、最終的にこのお百度参りをした母親の息子は生きて帰ることが出来、分家の子どもたちは皆犠牲になってしまうのである。(この部分、実話である)
自分の為ではなく、欲でもなく、本心から切実に誰かを思う祈り。
それは、もしかしたら本当に、なにものかに届くのかもしれない。
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